機奇械怪@BLOG

フリーライター・石井誠のブログです

30年ぶりに封印を解かれた『ヴイナス戦記』ブルーレイ発売!

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年頭にブログを更新して以来、気が付けば夏になっていました。
みなさん、いかがお過ごしでしょうか?

機動戦士ガンダム THE ORIGIN』、『クラッシャージョウ』に続いて、30年にわたる封印が解除された『ヴイナス戦記』のHDリマスター版ブルーレイのブックレットに関わらせていただき、ついに7月26日の発売日を迎えることになったのでブログにてお知らせさせていただきます。

ヴイナス戦記』が劇場公開された当時、僕は高校を卒業したての18歳の学生でした。ライダースのジャケットを着て、ホンダのスパーダという赤いバイクに乗り、世の中に対して斜に構えて学生生活を送っている最中に、この作品と出会ったわけです。
主人公のヒロも18歳で、世の中に対する不満を抱えたキャラクターであったため、作品を観て気持ち的にヒロに感情移入しまくりました。「安彦さんはスゲー、何で俺たちの気持ちが判るんだろう」って本気で思ったんですよね。

そういう意味では、自分の中において『ヴイナス戦記』は凄く特別な作品でもありました。

そして、運良く『ヴイナス戦記』でも特典用ブックレットの構成と執筆を担当させていただくことになり、軽く要望を出させていただきました。それが、劇場公開当時に発売されたムック本「別冊アニメディア ヴイナス戦記」に掲載されていた、安彦さん自身が制作現場の様子を描いた「安彦良和の特別内情暴露戦場日誌」の再掲載です。

ファンならば安彦さんがエッセイコミックとして描かれた現場の様子を読みたいだろうと思ったし、そこにはインタビューなどで過去を振り返ってもらってもすくい取りきれない当時に描かれたからこそ伝わる雰囲気がある。そこで、取材時にお願いしたところ、快く再掲載の許可がいただけ、無事みなさんのもとに届けることができました。

インタビュー関連も充実した内容になっております。安彦さんにはちょっとディープに作品のことを語っていただきつつ、作画監督神村幸子さんと作画監督補の川元利浩さんと安彦さんの鼎談も取材させていただきました。一緒に仕事をした神村さんと川元さんが加わることで、単独インタビューでは出せない当時を思い出す空気感が生まれ、作品をより楽しむことができる内容になったのではと思います。

その他、美術監督の大御所である小林七郎さん、メカデザインを担当した横山宏さん、演出の千明孝一さん、脚本の笹本祐一さんの4人にも単独インタビューを行い、それぞれの作品に対する思いを語ってもらいました。

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中でも、横山宏さんからはラフデザインスケッチと作画参考用のモノバイのモデルの写真を提供していただき、当時のムックなどにも掲載されなかった蔵出し的な内容になっています。また、ジブリ作品や出崎統作品の美術を多数手掛け、多くの美術監督を世に送り出した小林七郎さんのご自宅でお話を伺い、アトリエでは『ヴイナス戦記』のものではなかったのですが、実物の背景画を間近で見させていただけるという機会にも恵まれ、個人的にも貴重な体験も含めてすごく楽しいお仕事をさせていただいたなと思っております。

30年間国内でのソフトは未発売だったので、気になっても観ることがなかなか無かった作品だと思うので、気になったぜひこの機会に手に取ってもらい、そのクオリティの高さに触れてもらえればと思います。